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活動報告

タマゴ科学研究会の活動をご報告いたします。

動画を公開いたしました

だし巻き卵の作り方についてご紹介します。

カスタードプディングの作り方についてご紹介します。

振って!キュートな目玉焼きの作り方についてご紹介します。

マヨネーズの作り方について詳しくご紹介します。

卵を使った調味料“マヨネーズ”について詳しくご紹介します。

プリンのような食感をしている銚子の伊達巻をご紹介します。

卵の有効成分「コリン」について、東京農工大学の三浦豊先生をゲストにお迎えし、解説していただきます。
 <後編>

卵の有効成分「コリン」について、東京農工大学の三浦豊先生をゲストにお迎えし、解説していただきます。
 <前編>

卵黄と卵白を別々に混ぜる「別立て法」で作るスポンジケーキをご紹介します。

卵黄と卵白を一緒に混ぜる「共立て法」で作るスポンジケーキをご紹介します。

卵の栄養で気になるコレステロールや動脈硬化との関連について、
脂質代謝専門家の近藤和雄先生をゲストにお迎えし、解説していただきます。

卵の栄養で気になるコレステロールについて、脂質代謝専門家の近藤和雄先生をゲストにお迎えし、
解説していただきます。

寒い時期に食べたい「基本のとろとろ茶碗蒸し」の作り方をご紹介します

ポルトガルの伝統菓子「鶏卵素麺」の歴史と作り方、つやキラの秘密をご紹介します

温泉卵をカップ麺容器で簡単に作る方法をご紹介します

たまごふわふわについて詳しくご紹介します

たまごかけご飯について詳しくご紹介します

バスクチーズケーキについて詳しくご紹介します

冷凍卵について詳しくご紹介します

デビルエッグについて詳しくご紹介します

目玉焼きについて詳しくご紹介します

ゆでタマゴについて詳しくご紹介します

赤玉・白玉の違いや栄養についてご紹介します

タマゴの保存について、皆様の疑問にお答えします

「卵の新常識」

その1:卵とアレルギーについて

卵は日本人の食生活には欠かせない食材であるが、とくに乳幼児においては牛乳と並んで頻度の高い食物アレルギーの原因食品でもあり、全年齢でみてもアレルギー原因食品の約39%を占めている1) 。卵は、0歳時でのアレルギー原因食品の約56%を占めているが、4~6歳頃には14%程度まで低下し、その後成長とともにさらに減少していく1) 。したがって、卵アレルギーは加齢とともに治癒する可能性が高い食物アレルギーであり、離乳期の早期から、加熱卵を少量ずつ継続して食べさせることで、安全に予防できる可能性が報告されている2,3)
*注意書き*
なお、このようにアレルゲンを少しずつ摂取し、アレルギー症状が起こりにくい体質へと改善させる方法を経口免疫療法というが、必ず医師の指導の下で実施することが不可欠である。

      《 参考文献 》
1) 国立研究開発法人日本医療研究開発機構「食物アレルギーの診療の手引き 2017」
2) Natsume O et al., Two-step egg introduction for prevention of egg allergy in high-risk infants with eczema (PETIT): a randomized double-blind, placebo-controlled trial. Lancet, 2016, 389:376-286
3) Despo I et al., Timing of allergenic food introduction to the infant diet and risk of allergic or autoimmune disease. A systematic review and meta-analysis. JAMA., 2016, 316:1181-1192

その2:卵と認知機能について

卵には、健康維持に直接あるいは間接的に役立つ機能を有する成分が数多く含まれている。
卵黄脂質のうち約31%はリン脂質である。リン脂質は、細胞膜の基本構成成分として動植物のすべての細胞に含まれている。卵黄リン脂質の8割を占めるホスファチジルコリンには、神経伝達に関与するアセチルコリンの前駆体であるコリンが含まれている。コリンは脳の発育に必要な栄養素であり、アメリカではヒトにとって必須な栄養素とされ、摂取目安量が決められている1)。日本人においても卵黄はコリンの最大の供給源であり2)、ビタミンB12との併用によるアルツハイマー型認知症に対する改善効果3)に加え、久山研究では卵は認知症予防のために摂取を増すことが奨められている食品のひとつに挙げられている4)。フィンランドで行われた前向きコホート研究でも、卵の摂取量が多い者(約1個/日)では少ない者よりも認知機能が良好で、認知症発症リスクが低く、PC由来コリンの摂取量が多い者(222 mg/日以上)では認知症発症リスクが低いことが観察されている5,6)

      《 参考文献 》
1) Institute of Medicine of the National Academies, “Dietary Reference Intakes(1998)”.
2) Shirouchi B et al., Quantities of phospholipid molecular classes in Japanese meals and prediction of their sources by multiple regression analysis. J. Nutr. Sci. Vitaminol., 2018, 64:215-221.
3) 真田順子ら, アルツハイマー型痴呆に対する卵黄ホスファチジルコリンとビタミンB12 併用の臨床的有用性について ̶第1 報̶. 老年医学, 1997, 35:363-368.
4) Ozawa M et al., Dietary patterns and risk of dementia in an elderly Japanese population: the Hisayama Study. Am. J. Clin. Nutr., 2013, 95:1076-1082.
5) Ylilauri MP et al., Association of dietary cholesterol and egg intakes with the risk of incident dementia or Alzheimer disease: The Kuopio Ischaemic Heart Disease Risk Factor Study. Am. J. Clin. Nutr., 2017, 105:476-484.
6) Ylilauri MP et al., Association of dietary choline intake with risk of incident dementia and with cognitive performance: The Kuopio Ischaemic Heart Disease Risk Factor Study. Am. J. Clin. Nutr., 2019, 00:1-8.